補助金見直し指針(案)
平 成 18 年 8 月
い わ き 市
補助金見直し指針(案)
1 補助金見直しの必要性
補助金については、これまで、「見直し基準」に基づく点検(平成7年度)、第4次行財 政改革行動計画に基づく個別補助金の見直し、さらに行政評価システムによる見直しなど の取り組みを行ってきたところである。国の三位一体改革の影響等により、厳しい財政運 営が求められていることから、第5次市行財政改革行動計画(以下「行動計画」という。) に位置づけし、補助金の見直しを行うこととした。
2 対象とする補助金
見直しの対象とする補助金は、原則として平成 18 年度に予算化されている全ての補助 金とする。(但し、政務調査費、建設関係補助及び行財政改革行動計画に個別に位置づけら れている補助金を除く。)
○ 見直し対象補助金:約 200 事業 約 20 億円
※ また、見直しの数値目標としては、行動計画において、交付金額の約5%(約1億円) の削減としており、抜本的な見直しを行うこととしている。
3 見直しの考え方
今回の見直しは、厳しい行財政状況を踏まえるとともに、補助の必要性や公益性などの 観点から、補助金として引き続き交付することの適否を検証するほか、継続する補助金に ついては、効率的、効果的なものとなるよう、各補助金を類型化したうえで、次の考え方 に基づき見直しを実施することとする。
⑴ 事業費補助については、効率性・効果性を高めること
⑵ 運営費補助については、補助団体の自立を促進すること
⑶ 厳しい財政状況を考慮し、一定の要件に該当するものを除き、一律削減の考え方を導 入すること
⑷ 見直しの実施時期等については、段階的な見直しなど補助団体等への配慮を行うこと
4 補助金の類型化
補助金の類型化については、次のとおりとする。
⑴ 「補助の性質」による分類
① 事業費補助
事業費補助とは、市が、公益上必要と認める特定の事業や活動を助長・奨励するた めに、その経費の一部又は全部を補助するものをいう。
② 運営費補助
運営費補助とは、市が、公益上その活動が必要であると認めた団体に対して、その 運営を助長するために、運営費の一部又は全部を補助するものをいう。
⑵ 「補助対象」による分類
① 特定団体(市事務局)
補助を受ける団体が限定されるもののうち、市が事務局となっている団体
② 特定団体(その他)
補助を受ける団体が限定されるもののうち、市が事務局となっていない団体
③ 不特定団体又は個人
一定の要件を満たせば補助の対象となる不特定の団体又は個人
「補助の性質」及び「補助対象」による分類を整理すると次の表になる。 表1 補助金の類型化
5 見直しの方向性
見直しの方向性については、次のとおりとする。 表2 見直しの方向性
6 「見直しの方向性」の判断基準
個別事業を見直しの方向性に位置づけるための判断基準は、次のとおりとする。
⑴ 終了
補助目的を達成したほか、公益性、必要性が薄れ補助を継続する必要がないと判断さ れるもの。
⑵ 継続
① 現行
制度的に見直しが困難であるほか、公益性が高く政策目標を達成するため、現行の 水準を維持する必要があるもの。
補助の性質 補助対象 特定団体(市事務局) 特定団体(その他) 事業費補助
不特定団体又は個人 特定団体(市事務局) 運営費補助
特定団体(その他)
区 分 方 向 性
終了 補助金としての交付を終了するもの 現行 現行の補助水準を維持するもの
△ 10%以上 個別の精査を通じ大幅な補助額の見直しを図るもの
(10%以上の削減)
△ 10%程度 一律に 10%程度の削減を図るもの 継続
削減
△ 5%程度 一律に5%程度の削減を図るもの
② 削減
終了、現行以外のもので、厳しい行財政状況を勘案し、現行の水準から削減を図る もの。
なお、削減の区分は、各補助金の状況に応じ、平成 18 年度当初予算比で「△ 10% 以上」、「△ 10%程度」、「△ 5%程度」とする。
※ 見直しの考え方、類型化、見直しの方向性を踏まえ、具体的な判断基準を別表のとおり 整理する。
7 実施時期等
この指針による見直しについては、原則として平成 19 年度から実施することとするが、 急激な見直しにより行政運営に支障が生じる恐れのあるものについては、段階的に補助金 を引き下げるなど実施手法にも配慮することとする。
ただし、実施時期は、第5次市行財政改革大綱の推進期間である平成 22 年度までとする。
8 その他
今回の見直しにおいて、補助交付基準や対象経費等が明確となっていないものについて は、交付要綱等の作成を義務付けるものとする。
具体的な判断基準 施策の浸透、普及等により補助目的が達成されたもの
社会情勢の変化により、補助の目的・視点・内容等が適切でなくなり、補助の効果 が薄れているもの
根拠法令等の改正等により補助制度がなくなるなるもの
事業手法を見直し、市の直営又は委託方式等に変更する必要があるもの 他の補助金と統合した方が、より効率的であり、当該補助制度で継続する必要が ないもの
団体等の収入における補助金の割合が、5%未満のもの(福祉、教育分野を除く) 終期が設定されているもの
【継続する場合】
見直しの 方向性
具体的な判断基準
△ 10%以上
事業実績を勘案し大幅に事業費を見直すもの
(予算と決算の乖離が大きいもの又は補助対象経費が不適切で見直す必要があ るもの)
△ 10%程度 概ね適正に事業を実施しているが、職員の努力により補助額の削減を図るもの 法令等により市が補助することが義務付けられているもの
国、県の補助金を財源の一部として充当している事業のうち、市の負担が義務的 なもの
平成18年度から補助を開始したもの又は平成18年度から見直しが実施されたもの 継続して10年以上補助を行っているもの(平成8年度以前から補助を行っているも の)
事業実績を勘案し大幅に事業費を見直すもの
(予算と決算の乖離が大きいもの又は補助対象経費が不適切で見直す必要があ るもの)
補助を実施して10年未満のもの(平成9年度以降補助を行っているもの) その他上記項目に該当しないもの
法令等により市が補助することが義務付けられているもの
国、県の補助金を財源の一部として充当している事業のうち、市の負担が義務的 なもの
平成18年度から補助を開始したもの又は平成18年度から見直しが実施されたもの 公益性が高く政策目標を達成するために現行水準を維持する必要のあるもの
△ 10%以上
補助事業の実績等を勘案し大幅に事業費を見直すもの (予算に比べ件数等が著しく少ないもの等)
△ 5%程度 その他上記項目に該当しないもの
△ 10%以上
運営実績を勘案し大幅に事業費を見直すもの
(過去3年間の平均で、繰越金又は剰余金が単年度の補助金額の概ね1/ 3以上 となっているもの又は補助対象経費が不適切で見直す必要があるもの)
△ 10%程度 概ね適正に運営されているが、職員の努力により補助額の削減を図るもの 法令等により市が補助することが義務付けられているもの
国、県の補助金を財源の一部として充当している事業のうち、市の負担が義務的 なもの
平成18年度から補助を開始したもの又は平成18年度から見直しが実施されたもの 補助を受ける団体の公益性が高いとともに、事業や会費等で自主財源を確保する ことが著しく困難であるもの
継続して10年以上補助を行っているもの(平成8年度以前から補助を行っているも の)
運営実績を勘案し大幅に事業費を見直すもの
(過去3年間の平均で、繰越金又は剰余金が単年度の補助金額の概ね1/ 3以上 となっているもの又は補助対象経費が不適切で見直す必要があるもの)
補助を実施して10年未満のもの(平成9年度以降補助を行っているもの) その他上記項目に該当しないもの
現行 終了
運 営 費 補 助
特定団体
(市事務局)
現行
△ 10%以上
△ 5%程度 特定団体
(その他)
見直しの方向性
別表 補助金見直し基準整理表
△ 5%程度
不特定団体 又は個人 特定団体
(その他) 特定団体
(市事務局)
現行 類型
事 業 費 補 助
△ 10%以上